Mearsheimer, J. J. (2014). 読んだ:Why the Ukraine crisis is the West's fault: the liberal delusions that provoked Putin. Foreign Aff., 93, 77.

今日も読んだ。ミアシャイマー先生の有名なやつ。

Mearsheimer, J. J. (2014). Why the Ukraine crisis is the West's fault: the liberal delusions that provoked Putin. Foreign Aff., 93, 77.
リンク:https://ius.bg.ac.rs/wp-content/uploads/2023/03/5.-John-J.-Mearsheimer-Foreign-Affairs-2014-2022.pdf
 
リンク先にくっついてたのでついでにこれも読んだ。
Mearsheimer, J. J. (2022). Playing With Fire in Ukraine. The Underappreciated Risks of Catastrophic Escalation. Foreign Affairs, 17, 2022.
内容はYoutubeに落ちてる講演と同じだし、いまさら真面目に要約するのもめんどいので、雑に要約する。
 
一つ目の論文は、2014年のウクライナ危機に関するものである。ロシアはNATOウクライナに拡大することは許さないということを明確に表明してきた。しかしアメリカはウクライナ内政干渉をして、親露派のヤヌコヴィッチをクーデターで追い落とし、親欧米政権を作った。こういうことをすればロシアが反発するのは当然予想できたことであるから、今回の件は西側が原因である。ウクライナはロシアにとって大変重要な地域であるから、ウクライナを反ロシアの国にすることは不可能である。西側はウクライナNATOに入れようとするのではなく、ロシアとの間のバッファーゾーンとして扱うべきである。今の方針を西側が続けるならば、NATOとロシアは衝突に向かう。
 
二つ目の論文は、ウクライナ戦争が始まってから書かれたものである。欧米の支援により、ウクライナにロシアが感じる脅威は、戦争が始まってからますます強くなっている。そのため、ロシアの戦略目標は開戦当初より拡大しており、ウクライナ戦争に勝利することの重要性が増している。また、西側もこの戦争に深く関与しているため、妥協が難しい状況である。したがって、停戦協定が近いうちに成立する可能性は低い。戦争は様々な形でエスカレートする可能性があり大変危険だが、いまさらどうしようもない。